出来るだけわかり易いキリスト教II2005年6月

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今週は教会学校ニュースを掲載しました。
この連載記事は,毎日曜日の礼拝の際に配られる「週報」の裏面に掲載されています。今日はこの裏面に教会学校のニュースを掲載しましたので「できるだけわかりやすいキリスト教II」はお休みします。 教会学校ニュースも是非ご覧ください。
( 6月 5日)

9 国と力と栄えは
〔国と力と栄えは,とこしえにあなたのものだからです。アーメン。〕

  「主の祈り」は頌栄で結ばれます。聖書の最古の写本にはこの句が含まれていないため新改訳聖書では括弧に括られています(マタイ6:13)。しかし当時の祈りの形式は固定した結びの言葉が添えられていたと言われます。主イエスがこの祈りを頌栄の言葉で結んだかという歴史的な問いに文献的な調査から応えることは不可能ですが,ユダヤ教の伝統や初代教会の頌栄の付加の事実を考えると,この頌栄をもって「主の祈り」を結ぶことは正当なことであるといえます。頌栄は神の栄光を誉めたたえることへ私たちを駆り立て,私たちを神賛美へ向かわせます。祈りは頌栄と結び合っているのです。(T歴代29:11)

  「国,力,栄え」はいずれも神に帰されるべきものです。「国と力」は「全能の支配」を意味し,神のご意志の力強い表れによって示され,もたらされ,直面させられるものです。それが紛れもなく,とこしえに神のものであることを表明することによって,私たちは神を全能の王としてほめたたえ,その国の民であることを明言するのです(詩篇145篇)。「栄え」は栄光を意味します。旧約では神の臨在を意味し,幕屋と神殿における礼拝で雲の中に現わされる光であり,神の本質がそこに現わされていました(出エジ33:18以下)。そのような栄光が新約では,十字架のイエス・キリストにおいて明らかにされました。そして神の栄光は来るべきキリストの再臨によって完成されるのです。その望みを抱きつつ,これらを父なる神にのみ帰し,神に賛美をささげるのです。

  神に帰されるべきものを明確に表明して神を誉めたたえ,「主の祈り」は「アーメン」で閉じられます。「アーメン」とは,それが真実であり,確実であるということを意味している言葉ですが,それを言う事は神に栄光を帰すことになるのです(Uコリント1:20)。祈りは神に栄光を帰し,「アーメン」と結んで捧げられる事で,祈り手の実感よりもはるかに確実に,神によって聞き届けられているのです(ハイデルベルク信仰問答129参照)。その信頼のうちに,さらに大胆な祈りと賛美へと導かれるのです。

   国も力も栄えも,自分達に帰される事を求めてやっきになるのが世の現実です。それをあえて神のみに帰して生きることは,ある意味で冒険に満ちた信仰の表明です。でもこの祈りは確かに神に聞かれている祈りなのですから,私たちは不安に陥る必要はなく,むしろ主の平和を確信して,祈ったように生きることができるのです。主が私の手をとってくださり,冒険とも思えるような人生の只中で,守っていてくださるのです。確かな信仰を表明する言葉として,主の御手に信頼しつつ,大胆に祈り続けていきたいと思います。
( 6月12日)

10 おわりに
主イエスが教えてくださった「主の祈り」を学んできました。私たちはこの祈りを祈る度に,祈りを教えてくださった主イエス・キリストを思い起こすべきであります。わずかな祈りの言葉の中に,豊かな,そして大胆な信仰へ駆り立てる力がぎっしり詰め込まれています。私たちの必要を知り尽くしている主のお姿がこの祈りの言葉に背後に見えるような気がいたします。繰り返し祈る中で主の御思いを知らされ,神に喜ばれる存在と変えられ続けるべきことを教えられるのではないでしょうか。

  私たちの祈りはイエス・キリストによって成り立っています。私たちが神を父とお呼びし,祈ることができるのは,すでにイエス・キリストの恵みの内にあるからです。十字架の主であるキリストにより,私たちは義とされ,聖とされ,贖われたのです。神と対話し,神を喜び,神に求め,神に栄光を帰す祈りが,神に聞き届けられるのは,イエス・キリストのゆえであります。ですから私たちは祈りを教えてくださった主を見つめつつ,神への感謝をささげるのです。 「キリストの中に根ざし,また建てられ,また,教えられたとおり信仰を堅くし,あふれるばかり感謝しなさい。」(コロサイ2:7)

  これをもって「できるだけわかり易いキリスト教」として学んできた使徒信条,十戒,主の祈りの学びを終了します。教会が歴史の中で重んじてきたこれらの言葉をきっかけに,神の言葉である聖書に取り組んでいただければ幸いです。御言葉を通して生ける神との出会いに導かれることを願います。
( 6月19日)

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